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「ジャック、キャプテンは死んだ。
俺に誓いを立てられる者だけをこの船に呼び寄せろ」
オヤジの船には似合わぬ頭のいい部下だった。
彼は俺の裏切りを知ると、すぐに仲間を集め始めた。
最後の生き残りは貴族らしい恰好の少年だった。
子供であろうが女であろうが、俺に恨みを持つ奴は沈めなければならない。
「キャプテン、どうなさいます?」
ジャックが問うた。
「……」
プラチナブロンドの髪が雨に濡れて顔に張り付いている。
エメラルドグリーンの瞳まで同じだった。
「君の母親は?」
「……いない。気が付いた時からこの船にいた」
少年は、流暢な英語で答えた。
「バルトロメオ?」
「そう呼ばれていた」
「奇遇だね。俺もバルトロメオだ」
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