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オヤジは輸送船と言ったが、後ろに艦隊がくっついている場合も多い。
焦って追いかけちゃあ、こっちがやられちまう。
ましてや奴らを望遠鏡のはじっこに捉えたのは、嵐の真っただ中だった。
「焦らなくとも、また通るさ」
無人島の洞窟に船を隠し、嵐で破損した場所を修理する。
「今夜はのんびりとここで一泊だ。
どうせ凪だ。逃げも隠れもできねえさ」
俺は船を降りようとオヤジに背を向けた。
「まるでお前が船長だな」
嫌味が聞こえる。
オヤジのことを崇拝している古い手下ども。
俺は聞こえないふりをして、砂浜まで下りて行った。
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