柑橘系は下心

4/7
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
「……何してんだよ」 「あっ!!」  急に声を掛けられて体が反応する。今、変な声が出た。恥ずかしい。 「お前なぁ、声掛けただけだろーが」 「びびびビックリしたんだ!!」 「それだけで?」  顔が真っ赤になるのを感じる。分かってる、顔が熱い分、下も熱くなっている。何とかばれないようにしようと、うつ伏せになっていれば「もっと吃驚すること、したくねぇか?」何て問われた。顔を向けると顔が近づいて、唇が重なった。信じられない光景に驚きながらも入り込んでくる舌に、必死に応えようとする。その様が面白かったのかどうかは知らないけれど、俺はソファで押し倒されて、口を離される。 「こういうシチュエーションも悪かねぇだろ?」  ――お前は、ただそう言って俺にキスを繰り返す。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!