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山盛りのごはんが消えていく様を眺めていると、圭が慌て出した。
「伊万里、なんか考えてる?」
「うん、圭の事考えてる」
「えっ」
別に顔を赤らめて照れるような内容じゃないけど。
一気に機嫌をよくした圭が味噌汁をすすり「やっぱり伊万里の味噌汁、うめー」と笑った。
ああさっき、怖い顔して食べてたから、今日は失敗したのかと思った。
食事が終わって、僕はキッチンの片付け、圭は洗濯と掃除。掃除は昨日かなりピカピカにしてくれたので、今日は二人でキッチンを掃除した。
今日はバイトは休み。もうすでに半日経とうとしてるけど、何をしようかと考えていたところだ。
雑巾で熱心に床を拭く圭に提案する。
「圭」
「ん?」
「考えたんだけど、やっぱりそのままにはしておけないし、直さなきゃいけないと思うんだ」
「伊万里の性格?」
なんの話だ。それはつまり僕の性格にどこか直すべきところがあるって圭は思ってるのかな。
「違う。ドア、寝室の」
ガスコンロをクレンザーで磨いていた僕は、爪先で圭のお尻を蹴った。
「あたっ。え、つまり……」
「リートさんがいないなら仕方ないでしょ」
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