第2章・こいつと!?

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原稿が入った封筒を小脇にかかえ角田は女編集長に背を向けた。 『夜目の名前を聞いたとたん逃げんの? 悪いけどだから角田さんは11年も投稿生活なのよ。 嫌いな人を嫌いな道を避けてきたって、 今の反応みたいにね!』 『はぁあ、あなたに何がわかるんですか?』 『あなた1人ならいつまでも投稿生活とフリーターをしていれば良いわ。 だけど守る人がいるのならそろそろ視点を変えて頑張ってみたら? ってあたしは言いたいの!』 『守る人…遥香や4人の子供たち…―――小説って書き方なんてわかりません』 『わからなければあたしや夜目、他にも担当者はたくさんいるから』 『夜目以外でお願いします』 『あたし変わりものなの、夜目とあなたがお互いに反発しあって、たがらかな―あの冷静沈着な夜目もどんな反応をするかみものだわ』 『あのっだから夜目以外でっっ』 『だったらこの話は白紙ね、フリーターとして頑張って』 女編集長は立ち上がりため息をついた。 『遥香さんもよくフリーターで黙認しているもんだわ。時間取らせちゃって話は白紙よ』 【遥香さんもよくフリーターで黙認しているもんだわ】 角田は先ほどの言葉を自問自答した。 「漫画頑張って」 「いつか認めてもらえるわよ」 「あたし応援する、だからそんな哀しそうな顔をしないで」 漫画原稿のダメ出しの夜、落ち込む俺に遥香は言った… 守るもの――遥香と子供達! 『気にいらないけど夜目で我慢します!』 *** 『そういう事、夜目司くん』 夜目の反応を楽しみに三角目で、彼のネクタイを触りながら編集長は言う。 『なぜ!俺が!? なぜ!角田!! 断ります!!』 会社に戻った後だったが夜目は拒絶反応を示し後ずさる。 女編集長はニヤリと笑った。
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