第2章・こいつと!?

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『角田が真面目にやらないから!』 『夜目のやり方が気に入らねぇ!』 『上手くやれば最強コンビじゃない、高校のクラスメートだって? 性格を把握してるなら上手くリードするのが夜目ちゃんの仕事じゃない。 いちいち突っかかってらしくないわよ』 『こいつとなんか話にならない!』 夜目が言う。 『お互い様だ!』 角田も負けない。 『角田遥香さんには4人のお子さんが居たわねぇ』 編集長は意味ありげに2人の肩を撫でた。 『やりましょう!新人賞!』 夜目・角田の声が揃った。 『お腹減ってんのよっ! 大盛りチャーシュー麺があたしを呼んでんのよっ! 飯行くわよっっ』 女は強い! とくにこの女編集長は男並みに駆け引きが上手い! *** だが夜目・角田は顔をつき合わすと喧嘩していた。 イライラと髪をぐしゃぐしゃにする2人。 『携帯忘れてるわよ』 女編集長はデスクから落ちていたスマホを拾い上げる。 『角田のですよ』 夜目は仕事をしながら呟いた。 『自宅知ってるなら届けてあげなさいよ』 『やだね』 女編集長は彼の携帯から〈は行〉を出し遥香の電話番号を出していた。 『遥香さんに渡しに行こうかしら』 『俺が行きますっっ!』 夜目はデスクから立ち上がった。 『遥香さんも…罪な女ね』夜目の態度を見て両手をヒラヒラさせる編集長は、 頑張れ!とばかりに彼の肩を叩いた。 『当たって砕けてこい!』『……………はぁあ』 夜目は小さく悪態をついた。 『俺の方がいい男だ、砕けてこいなんてあんまりだ』 … …… 夜目は駐車し待ち合わせのスーパーに向かった。 『夜目くん!久しぶり~!』 ショートカットだが面影で呼び掛けてくる前に遥香だとわかった。 『遥香!会えて嬉しいよ』角田に見せる不機嫌な顔とは違い、 彼女への想いを込めた笑顔になる夜目であった。 『制服?ここで働いてんの?子供大丈夫なのか?』 『一番下は幼稚園だからお迎えまで働けてる』 『角田はそれで平気なのかよ!育児に家事にパート!遥香が一番苦労してんじゃん!』 『ううん…夜目くん苦労じゃない。 彼には漫画を描いて…ううん今は小説を書いていてほしいから』 やるせない想いの夜目は抱きしめたい衝動と闘い、 しゃがみ込む。 『幸せなのか?パートや育児に追われて』 『うんっ!』 『罪な女…おまえって昔から罪な女だよ。 おまえなら許してしまう…小説家サポートしてやろうじゃないか! 遥香の為に!』
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