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『夜目くん大好きよ』
『遥香ぁ――!頼むよ…抱きしめたくなるから』
夜目は一番強いのは女だと…
守ってやりたいかわいいクラスメートだったと思わずにはいられなかった…。
***
遥香に会った日から忍耐強く夜目は角田を指導した。
***
半年後。
『おまえじゃない!遥香の為に!
新人賞を取ったら夜目様と崇めたてろ!
そうだな…賞金の半分で良い』
大まかなストーリーを書いた用紙をめくりながら言う。
『ここは主人公の感情を表に出す場面だろうが。
セリフ感情描写やり直し』
それこそ夜目が想像していた光景になり、
必死にストーリーの追い込みに鉛筆を走らせる角田に、椅子にふんぞり返り三角目で煽る夜目がいた。
『角田は書くだけ!
俺は読んで作者をつかさどるだけ!名前のとうりだ!俺を崇めたてろ!』
そんな2人は社内でも噂されていた。
『角田くん筋がいいよ』
『さすが夜目くんね』
そんな噂に拍車を掛けるように女編集長は笑った。
『そうね、角田くんが新人賞を取ったら夜目・角田で売り出そうかしら』
『冗談じゃない!
彼がデビューしたら俺は手を引きますよ!』
夜目は角田が帰った編集室で講義した。
『いいコンビ』
女編集長は笑った。
《本気だ!?
この下卑た笑い…
新人賞は取らせてやるが角田とのコンビはまっぴらごめんだ!》
《阻止してやる!
コンビは解消だと思わせるように!》
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