第2章・こいつと!?

10/14
前へ
/19ページ
次へ
『夜目くん大好きよ』 『遥香ぁ――!頼むよ…抱きしめたくなるから』 夜目は一番強いのは女だと… 守ってやりたいかわいいクラスメートだったと思わずにはいられなかった…。 *** 遥香に会った日から忍耐強く夜目は角田を指導した。 *** 半年後。 『おまえじゃない!遥香の為に! 新人賞を取ったら夜目様と崇めたてろ! そうだな…賞金の半分で良い』 大まかなストーリーを書いた用紙をめくりながら言う。 『ここは主人公の感情を表に出す場面だろうが。 セリフ感情描写やり直し』 それこそ夜目が想像していた光景になり、 必死にストーリーの追い込みに鉛筆を走らせる角田に、椅子にふんぞり返り三角目で煽る夜目がいた。 『角田は書くだけ! 俺は読んで作者をつかさどるだけ!名前のとうりだ!俺を崇めたてろ!』 そんな2人は社内でも噂されていた。 『角田くん筋がいいよ』 『さすが夜目くんね』 そんな噂に拍車を掛けるように女編集長は笑った。 『そうね、角田くんが新人賞を取ったら夜目・角田で売り出そうかしら』 『冗談じゃない! 彼がデビューしたら俺は手を引きますよ!』 夜目は角田が帰った編集室で講義した。 『いいコンビ』 女編集長は笑った。 《本気だ!? この下卑た笑い… 新人賞は取らせてやるが角田とのコンビはまっぴらごめんだ!》 《阻止してやる! コンビは解消だと思わせるように!》
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加