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『めぐみちゃんと言うなっっ!
恵と書いて(けい)だっ!高校の時とからかい口調は変わらねぇな』
角田は彼を睨みながら封筒に手を伸ばした。
『誉めているのかい?
そりゃどうも!めぐみちゃん。
ずいぶん使いまわした封筒だなぁ、まだ芽が出ないのかよ。
封筒でさえ相手は人間性を観るんだ。
向こうの出版社がダメならあちらの出版社?
同じ封筒使いまわしてんじゃ誠意なんか伝わらない』夜目は彼の封筒を奪い取り丸くよれた封筒の角に顔をしかめた。
『返せっ!』
『持ち込み・新人漫画賞にコツコツと挑戦…
苦労かける為に遥香を諦めたんじゃないのに…
遥香…いや、嫁さん元気か?』
夜目はいまだ悔しそうに遥香の名前を言った。
遥香とは角田の嫁になり、夜目は遥香を諦めた訳で角田への憎しみは消えてはいない。
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