第1章・おまえかよ!

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『夜目おまえが気にしてどうする? まさかあの時みたいに俺のいない所で…っ』 角田は封筒を取り返す事よりも、高校の忌々しい出来事を思い出したようで両拳を握る。 その闘志と角田の顔の変化に夜目は楽しそうに眉をつりあげた。 『遥香のバージン奪ったのは俺様、夜目司だから。 彼女は俺の体にしがみつき司くん…って言ったんだ』思い出したのか夜目は目を潤ませため息をついた。 ガッ‥ 角田の拳が夜目の顔めがけとんできた。 黒い鞄で交わした拍子から夜目のメガネが鼻から落ちそうになり、 働く男の威厳よろしく何事もなかったかのようにフレームのズレを指先であげる。 『ガキが…』 後ろに撫でつけた髪・スーツ・鞄に革靴の夜目は掃き捨てるように言い放った。 角田が反撃的な言葉を発する前に着信がなり、拳は夜目に向かわずに電話をとった。 『あぁ正樹…何? 週刊コミコミの発売? 買ってこいって…わかったわかった…じゃ』 正樹とやらの電話に顔つきが穏やかになる角田。 『男も好きだったとは…遥香ちゃんが知ったら…』 『はぁあ? 俺は男になんか興味はない、正樹は遥香と俺の三男だ』 『…三男ーーーおまえ3回も妊…』 『もう1人いる…』 もう1人…ーー。 その事実に夜目が角田を悔しそうに睨んでいた。 原稿はダメだったが愉快そうに笑う角田は、 週刊コミコミを買う為にゆっくりとその場から離れていった。 最悪な再会、出来れば顔も見たくない奴と!
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