『高宮逸樹』

11/14
前へ
/176ページ
次へ
「夜の病院ってね、寂しさもあるけど、何となくヒンヤリとした冷たさもあるんだ。そんな時に、つい考えちゃうんだ。拓海くんの肌に触れたい、腕に抱かれたい。拓海くんに思いっきり甘えたいって」  逸樹はニッコリと子どもみたいな笑顔を向ける。 「だからね、今日はいっぱい甘えさせて」  そう言うと、見つめていた眼差しを落とし、そのまま拓海の股間へと顔を埋めていった。  下着の上から唇を這わせ、その下でしだいに形を変え熱を籠らせていくモノを感じていく。唾液と先走りで下着が濡れ始めると、今度は下着をずらし勢い良く飛びし姿を現したモノを頬張っていった。唇と舌の愛撫でたちまち硬さは増していき、すぐに逸樹の口では覆いきれないほどになってしまう。 「んっ……ふっ……」 「……ぁあ、逸樹さん」  逸樹が鼻にかかった吐息を漏らし、拓海も与えられる柔らかな刺激に吐息をこぼす。  耳に届く吐息に、逸樹はより欲情的になってしまう。その欲情に駆り立てられる猛りは口腔で雄の匂いを濃くしていき、さらに硬さを増していく。そして、与えられる快楽に流された拓海は、逸樹の口内へと白濁の熱を放っていった。 「――っあぁ、はぁ……はぁ」  拓海のこぼす声を聞きながら、逸樹は彼の放った熱を喉の奥へと流し込んでいく。  内に熱を流し込み、全身に痺れたような熱を湛える逸樹。そして、外から与えられ熱の余韻を引きずる拓海。一度与えられた欲情の熱は、二人を一気に駆り立たせた。  服を脱ぎ去り抱き合うと、ベッドの上に倒れ込み何度もキスを重ねる。そして、素肌に伝わる鼓動と温もりを感じながら、互いを一層昂らせていく。 「逸樹さん……、逸樹さん」  何度も名を囁く唇が、キメ細やかな白い肌に小さな赤い花を咲かせていく。 「……あぁ、ん…………拓海くん……」  甘い吐息を漏らし、逸樹は拓海の逞しい身体に細い腕を絡めていく。そして、腰を浮かせ早くとせがむ。
/176ページ

最初のコメントを投稿しよう!

292人が本棚に入れています
本棚に追加