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「ぁっん、……拓海……くん。……キスして、……たくさん、たくさん」
潤んだ瞳の懇願に、望むままにキスが重ねられていく。キスをするだびに「好き」という想いが交わされ、それが逸樹の胸にあった不安を掻き消し、拓海への想いを強くさせる。そして、強まった想いが溢れ、しだいに重ねられた口の端からこぼれる吐息が乱れ、逸樹の動きも淫らに乱れさせていく。
「拓海くん、ヤダッ……もう、イッちゃ――……」
「逸樹さんっ――、俺もっ――」
二人は示し合わせたように達し、熱のこもった吐息を絡ませながら、深く長いキスを交わした。
ベッドに倒れ込んだ逸樹は、熱の抜けきらない瞳で拓海を見つめ、
「ねえ、拓海くん。力いっぱい抱きしめて」
と、両手を広げ求める。拓海は「うん」と、嬉しそうに頷くと、逸樹の上に倒れ込み力いっぱい抱きしめた。
「ありがとね、拓海くん」
逸樹は大好きな温もりを全身で感じながら、フワフワとした心地よい感覚をいつまでも味わっていた。
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