第9章 君のせい

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僕が答えられずにいるうちに アンジュはケロッとした顔で ベッドから立ち上がると。 「ママー」 扉を開けて 子供みたいに母親を呼びつけた。 もちろん 「どうしたの?」 待ち構えていたように アンジュの母は階段を駆け上がってくる。 「ねえ、今夜リカの家に泊まってもいいでしょ?」 僕は慌ててベッドから立ち上がると シャツの前を閉じた。 「そんな……ご迷惑じゃないの?」 青ざめる母親を前に 「違うよ、僕の我儘じゃない。リカがどうしてもって。そうだよね?」 「あ……ああ、うん」 十分に手懐けた玩具に言わせると。 「ほら。ね、いいでしょ?」 至極ご機嫌な声音で アンジュはねだった。
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