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僕が答えられずにいるうちに
アンジュはケロッとした顔で
ベッドから立ち上がると。
「ママー」
扉を開けて
子供みたいに母親を呼びつけた。
もちろん
「どうしたの?」
待ち構えていたように
アンジュの母は階段を駆け上がってくる。
「ねえ、今夜リカの家に泊まってもいいでしょ?」
僕は慌ててベッドから立ち上がると
シャツの前を閉じた。
「そんな……ご迷惑じゃないの?」
青ざめる母親を前に
「違うよ、僕の我儘じゃない。リカがどうしてもって。そうだよね?」
「あ……ああ、うん」
十分に手懐けた玩具に言わせると。
「ほら。ね、いいでしょ?」
至極ご機嫌な声音で
アンジュはねだった。
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