49人が本棚に入れています
本棚に追加
第9章 君のせい
「すぐにはやらないよ――」
その日のアンジュは
憂鬱なだけでなく。
「どうして……」
とびきり意地が悪くて
その上
「ベッドの気分じゃないからさ」
「へっ……?」
いつにも増して
たちが悪かった。
気まぐれに
はじかれたボタン。
「あんまり……」
屈辱に震えながら
前をかき寄せた僕の胸には
「あんまり弄ばないでよ……」
かぎ針のなぞった通り
幾筋も赤いみみず腫れが出来ていた。
最初のコメントを投稿しよう!