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そんな生活をしばらく続けていると、その間に私の家は何度か生まれ変わった。
徐々に家は大きくなり、木造となった際にはとても広い家となっていた。
私の体はその奥に隠されるように置かれるようになった。
それが願いを叶えた感謝の現れとは理解できていたが、“外に出なければ月が見えない”という一点だけは残念だった。
そしてその辺りから、私が“神様”と呼ばれることも少なくなった。
人間が私にも人間と同じような名前をくれたのだ。
赤蛇(アカシャ)
最初はその名前が自分を指しているとは思わなかった。
私の体は綺麗な金色の毛並みが美しく、それは昔からの自慢で、今もなお、金色に輝いている。
しかし、何度も呼ばれているうちに自分を指していると察した。
それに名前の響きが好きだったし、“願いを叶えたお礼”ではなく“彼らから貰ったもの”という事もあり、その名前を私は大層気に入っていた。
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