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「っ、…」
焼け野原。
生い茂っていた草も
レトロな建物も
走り回る無邪気な子供も
長閑な風景もすべて、平和だったこの村は跡形もなく消えていた。
しかしながらただ二人、生き残った少年と青年がいた。
少年は赤毛のような茶髪でそばかすのついた平凡な容姿で服はボロボロになり傷だらけの状態で這いつくばって、青年を睨みつけていた。
一方、青年の方は黒い髪に艶やかな肌、
いかにも綺麗な美青年であった。
しかしながらどこまでも冷たい無表情で這いつくばる少年を見つめた。
「殺してやる…っ、殺してやる!」
少年は擦り切れるような声で叫んだ
「よくも!よくも村を!お前のせいで!お前のせいで!」
憎しみを込めて叫ぶ。
憎悪でたまらなくなる想いを胸に抱え、叫ぶ。
しかしながら青年は小さくため息をつき、
身を翻した。
少年を置いて村の残骸から出て行った。
少年は一人。嗚咽を漏らしながら
「殺してやる」
と、何度も何度も呟いた。
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