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ーーー……
「早く目覚めたまえ、私のスノーホワイトプリンセス…」
最悪の目覚めとはこのことである。
と赤毛のそばかすのついた平凡な少年、アルトはそう思った。
それもそのはず。
悪夢から覚めてみれば眉目秀麗ではあるものの同じ性別で男である顔がものすごく近いのだ。
強いて言えば唇と唇の距離が数字でいえば3センチくらいしかない。
「…って!近いわ!ボケぇぇ!」
とすかさず右手に力を込めて男の腹に一撃必殺を食らわせた。
「ぅっ!…愛の力だね。ハニー」
と、男は鼻血を垂らしてはぁはぁしてこちらを見てくる。
気色悪い!たとえ金髪碧眼の美青年だとしてもお断りだわ!
「誰がハニーだ。この変態。さっさと身支度して宿出るぞ。たく、殺人現場になんかしたら女将さん迷惑だしな…」
「つまり私を殺したいほど愛しいと?素直じゃないなぁ、ツンデレハニーは」
「なぜそうなる!しかもそれ!ツンデレではなくヤンデレの方だからな!」
と、あきれた発言にすかさずツッコミを入れたが…蛇足だった。
「おお!ついに認めたか!ヤンデレハニー!ふふ。病んでるなんて、私とそっくりさんじゃないか。病み具合でも競ってみないか?」
馬鹿だ。こいつバカだ。
「誰がヤンデレだ!つかお前もヤンデレなのかよ!マジかよ!」
「ふふ。何故私が後衛なのかお気づきになりましたか?」
「気付きたくなかった!」
「某RPGを思い出してくだs「あーはいはい。出発出発~」
とりあえず無視だな。
長くなりそうだし。
と、階段を降り、受付の女将さんに挨拶だけして出て行った。
なんか頬を赤く染めてた。
「ノンケ×溺愛」って言ってたが意味がわからなかった。
わかりたくもなかった。
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