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何年前、いや、何十年前に沈没した船なのだろうか。
元は豪華客船だったであろうに、その姿は青白く、藻に覆われ、全体が暗かった。
まるで全てが死んでしまっているかのように見えた。
私は少しの恐怖を覚え、一度水面上に浮上した。
息が続かず、長く湖底にいることが出来ない。
今更思い出したのだが、私は水泳が得意な方では無かったのである。
どうにか上手く潜れるように、策を考えて明日、また此処に来よう。
そう思った。
ただ、もう一度だけ、息を吸い直し、私は湖底に潜った。
そして、私に"明日、また来たい"と思わせるものを湖底で発見した。
湖に沈んだ豪華客船の丸い窓の一つに灯りが見えたのだ。
ハッキリと橙にも黄色にも見える明るい光が。
それは一瞬にして消えた。
明日は、もう少し近付いてみたいと思う。
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