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午後には直ぐに湖に潜り、私は明るい光りを漏らす窓を覗き込んでいた。
息が続く限り、ずっと。
ダイビングならば、もっと長く潜っていられるのだろうが、私にはダイビングなど出来ない。
しかし、ダイビングでは無くて良かったかもしれないとも思う。
何故なら、視界を自分の吐く泡に邪魔されずに済むからだ。
中がよく見える。
窓から見えたのは、昨日と変わらないパーティーの情景。
人影は見えない。
しかし、誰かが私を近くで見ている気がした。
試しに窓を軽く叩いてみた。
すると、不思議なことに窓を叩き返す音が聞こえてきた。
私は興奮して湖底にいることを忘れ、危うく溺れるところだった。
しかし、上がって良かったのかもしれない。
慌てて浮上した先は土砂降りの雨だったのだ。
私は叔父に心配をさせまいと叔父の家に帰宅せざるを得なかった。
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