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今日、私は初めて自分で朝食を作った。
といっても、食パンをトースターで焼き、フライパンで目玉焼きを焼いただけなのだが、やけに変な達成感があった。
そろそろ叔父が心配になってくる。
しかし、私の足が向いたのは、やはり、あの湖だった。
叔父を捜すことよりも私は湖底の少女に会うことに気を取られていた。
寒空の下、私は何かに取り憑かれたように服を脱ぎ、叔父から借りた水着一枚で湖のほとりから飛び込んだ。
勿論、シュノーケリングの道具もつけた。
湖の中はいつもと違っていた。
自分を取り巻く水がとても重く感じられ、雰囲気も暗い。
もっと深く潜らなければ湖底へと辿り着けないのだが、息が続かず何度も地上へと戻ってしまった。
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