44人が本棚に入れています
本棚に追加
今朝、叔父が私を追い出した。
決して酷い言い方をした訳では無い。
優しく外の世界に送り出したと言っても過言では無いだろう。
つまり、早朝から散歩に出されたという訳だ。
朝の八時、朝食を食べて直ぐに歩いた所為か、久しぶりに脇腹が痛い。
しっかりと朝食を食べた証拠か。
久しく朝食を完食した記憶が無かった。
吐き気に襲われるのだから、と朝食を食べることをやめてしまったのだ。
さて、何処に行けば良いのか、と思いながらも私の足は田んぼに向かっていた。
何も面白いものが無いことぐらい分かっていたのだが、重たい足がそちらに動いたのだ。
冷たい空気に浮かぶ、私の吐く白い息。
それを追って見上げた先、田んぼの上で何か光る粉のようなモノが広がるのを見た気がした。
最初のコメントを投稿しよう!