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否、目の錯覚では無かった。
田んぼに煌びやかな金色の鱗粉のようなモノが降り積もっている。
まるで雪のようだ。
雪のように積もって雪のように田んぼの水に溶けていく。
溶けた金色の水は何処に向かうのか。
気が付けば、私は田んぼの横の水路に沿って水の流れを追っていた。
森の中へ入っていく。
山をくだるのだ。
そう思ったのだが、水路が山をくだり切ることは無かった。
私は森の中で湖に辿り着いた。
微かな水の流れる音、静かな空間、きらきらと光る水面。
吸い込まれそうなほど綺麗な青だ。
まるで、海水のようだった。
何が生息しているのか、私には皆目検討もつかない。
だから、私は元来た道を引き返したのだ。
未知の世界を置いて、私は逃げ出したのだ。
帰って叔父に話をしてみたのだが、叔父は柔らかな表情で笑って何も語ってはくれなかった。
もしかすると、何か秘密を知っているのだろうか?
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