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あっちの席では、牛みたいなデブ女とイケメンが楽しそうに笑ってるし、こっちのファンデが白すぎる女は、ブサメンどもに囲まれてモテ女を気取ってる。
隣の席に座ってる子なんて、変な黒いポンチョなんて着ててセンスの欠片もない。
「キモーい……」
思わず口に出てしまって、その女の子と目が合ったけどシカト。
それよりなんだか急に眠くなってきた。
(……ちょっとだけ目を瞑っちゃおうかな……)
頭が痺れ、喫茶店の景色が霞んでいく。
──そして次に視界に映ったのは、カラフルでヘンテコなサーカステントの中のような場所だった。
「……は? 何このコミカルな世界」
「コミカル? 冗談だろ」
その声に顔を上げると、奥に据えられた大きな椅子から、赤い三角帽子を被った男の子が私に笑いかけている。
「ようこそ夢の世界へ。ゲームしようぜ。ベットはアンタの運命」
「夢? ゲームって……君は誰?」
「ボクはゼロ。ゲームに勝てばアンタの不満は一気に解消! ボクが得意なのは運命の輪を的にしたナイフ投げだけど、今日は特別にアンタの得意なタロットで勝負してやるよ」
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