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「…あぁそれは…『魔法使い』だな。」
事のテンマツを聞いた父上が目を閉じ、そう告げる。
「…マホウ使い…?」
話には聞いていたが…まさか、自分がそんなものになるとは。
「昨日今日でそれ程までに筋力が上がるなど、先ず有り得ん。…そして、五十尺もの高さから落ちて、その程度の怪我で済んだのだ。
…これを魔法と呼ばず何と呼ぶ。」
「…それで、自分はどうすれば。」
「…魔法学園に通うのが一番だろうな。」
「マホウ…学園。」
「竜胆の先祖達にも魔法使いがいなかった訳では無いが、魔法を教えられる者がいる訳でも無い。
そこで学び、修行を積むのだ刹那よ。」
「…はっ。」
「…だが、我ら『竜胆』のことを知られてはならんぞ。」
「分かっております。」
「…『竜胆』は代々歴史の影で暗躍して来た暗殺者の家系。その名を知るのは竜胆の一族の者と、我らを使う、汚れた者共のみだ。
偽名なぞを使う必要は無いだろう。…尤も、お前には一般人として学園に入学して貰う故、書類の偽造等は必要だろうが。」
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