『永遠だけが知っている』

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 俺が参加しなくなってから、綾瀬も地区の祭りが嫌になってしまったらしい。他に、同じ年の女子二名も不参加になった。 「それで、その年は子供の半分以上が不参加の年になった。で、その不参加メンバーは、綾瀬の家に行って、大騒ぎした」  祭りで家の住人はいなかったので、庭で花火をして、ホラー映画を見たりしていた。凄く楽しかったが、もちろん、その後、親には怒られた。  でも親に怒られても、仲間と過ごす、楽しい時間は宝物であった。どんなに、親が付き合うなと言っても、俺には仲間がいて、綾瀬がいてくれた。  親の言うことは正しい。でも、正しさの中に、この楽しさはなく、誤りを自分で悟る事もできない。  地区で生きていくには、地区の行事への参加が必要であるのだ。  実徳は帰ってきて、俺の姿がなくなっていて、号泣していたという。実徳は、祭りであったことや食べ物を、一生懸命持ち帰って、俺に渡そうとしていた。 「その後、こっぴどく叱られて、その同じく叱られた記憶というのが、仲間意識をよぶのだよね。あれは楽しかった。でも、その後、怒られたよなってさ」  丼池が笑っていた。 「遊部さんの、昔の姿を見た今なら理解できます。やんちゃだけど、不可欠な存在だったろうなって」  どんな未来があったとしても、過去はそのまま残っている。俺も、綾瀬と過ごした、楽しかった思い出まで否定しなくてもいいのだ。過去は、過去になった時から、永遠に存在すればいい。 「綾瀬は……幼馴染なんだよ。それは、譲れない」  丼池が頷いて、窓の外を見ていた。 「分かっています」  丼池が、俺を抱き上げてベッドに投げた。 「……丼池君」  丼池は優しい目をしていて、俺の言葉をキスで塞ぐ。抱き合ってしまえば、激しくキスで繋いでいた。  丼池の舌が、俺を窒息死させるかのように、奥を目指してくる。苦しさに足掻き、丼池の身体を離そうとすると、余計に押さえ込まれていた。  パジャヤマのボタンは全て外され、ベッドから投げ捨てられた。ズボンも降ろされてしまい、俺を隠すものが何もない。その素肌に、丼池の手が這っていた。  背を這った手が、そのまま下に伸びる。丼池は、俺の両足を開かせようと体を割り込ませてくる。俺は必死で、足を閉じ、丼池から逃げようとしていた。 「……遊部さん、お願い」  お願いされても、何をしようとしているのか、考えると、拒否してしまうのだ。
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