19人が本棚に入れています
本棚に追加
私は心を落ち着かせるため、一度大きく息を吸って吐き、公園のある方を向いた。
ねぇ、あなた。
昔二人で過ごした時間は、本当にかけがえのないものだった。もう2度と戻ってこないけれど、色褪せることのない思い出たち。あなたはそれらを私に与えてくれた。
あなたはもう私の弟ではない。そして私も、もうあなたの姉ではない。
あなたは私の過去の人になってしまったけれど、幸せな時間をくれた。
本当に、本当にありがとう。
ねぇ、もう他人であるアナタ――。
「さようなら」
その言葉は冷たい空気に静かに響いて、消えた。
最初のコメントを投稿しよう!