上層決着 (後編)

40/44
751人が本棚に入れています
本棚に追加
/2998ページ
「え、えっと………」 仕方なく、サクヤは思いだしたくもない話をする羽目に。 顔は真っ赤、終始小声。 本当にセカンド・ヴァージンなのだと、ラスベルは心が踊った。 ……………… その、完全な闇の中で。 相手に目隠しさせて、私は下着だけ脱いで…………その、あの、その……… 「い、痛くて痛くて、死にそうだったとしか、覚えてないの」 ま、15歳の時、経験したらしいから解らないでもない。 「ふ~ん、それで嫌いに?」 「そ、そうよ!な、何でそんな事を聞くわけ!?」 「いやいや、他意はないヨ♪」 「う、う~っ!!」 ……………… そこまでしてでも、アルヴィナを出し抜きたかった。 処女を失い、子供を宿したと知った時、姉は顔面蒼白になっていたそう。 『は、はははっ、ざ、ざまみろ!』 『サ、サクヤ、あ、貴女は、な、何て事を…………』 子供だと思って、舐めていた。 ヒミコの落胆は、それはそれは大きなモノだったらしい。 『ぜ、全部、全部姉さんのせいだから、全部姉さんが悪いんだから!』 『サ、サクヤ………』 『姉さんが悪いっ!姉さんが、貴女が私を追い詰めたのよっ!』 ……………… 二人の間に何があったかは詳しく語らないが、とにかくサクヤは、ヒミコを陥れる為だけに処女を捨てた。 掟に縛られ、跡継ぎを欲していた姉は、ミミの教育係にならざるを得なくなる。 その間、サクヤは気が狂ったかのように凶暴化し、一気に女王の座まで登り詰め、支配を磐石にしたのだ。 きっと、処女を失った辛さで、ヒミコが憎くて憎くて、半ば当て付けの様にグレてしまったのだろう。
/2998ページ

最初のコメントを投稿しよう!