1人が本棚に入れています
本棚に追加
どんなに激しく旋回しようが、昇降しようが、背に住む俺達には全く影響がないなのはどういう構造なのだろうか。
遠くでは地形が変化しているのを確認する事が出来る。
新しい契約をしたのだろうか。ドラグリティの背中から、三角錐のような建物がせり上がってくるのを、手を叩いて喜んでいる二人組の姿が見える。
「あの形は……店舗施設かな? 今度寄ってみるか――ツッ……」
景色を堪能していると、『早く行け』と急かすように、突風が建物の間を駆け抜け俺の背中を押した。
「あぁあぁ、わかりましたよ。お仕事行きますよ。まったく生き急ぎやがって」
自分を押し出す風に文句を一つ言うと、俺は西の外部区域に向かう為に初等部の校舎へと足を踏み入れた。
「――であるからして、我々は龍の神から化身たる力を授かり、旧人類である人間を脱却(だっきゃく)し昇華(しょうか)することで、第一世代たる竜人へとなったわけであります。皆様も竜人として、龍の神を崇め奉り、龍を目指し生きなさい。君達はその可能性を持つかも知れぬ、栄えある第二世代なのですから!」
「おうおう、司祭様は本日もお熱い事で」
初等部の教室の前を通りかかると、龍神教の紋章を首から提げた司祭様が竜人について語っていた。
最初のコメントを投稿しよう!