第1章

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たまに不思議に思うことがある、雪実の考えていることがわからないことがあるこの感覚。 それを従兄である蒼は許せないという怒りを爆発させそうになる時がある。 「自由に、がモットーなんでしょ。」 「……。」 理性的な冷たい目で語りかけるように、無表情で雪実は蒼に対して言い放った。 敵わない。 その言葉だけが頭の中で通り過ぎて行く。 __駄目だ。こんな口論ごときで負けを認めてなるものか。 昔からこいつは信用ができなかったんだ。裏で何を考えているのかわからない。 「わかったように言うなよ…。俺の何がわかるってんだ。」
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