第1章

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「だいたい、何で爛がひよ以外をお姫様抱っこするの?」 「仕方ないだろ」 「それでも嫌なものは嫌!」 少女の不機嫌そうな声と、男性の無関心そうな声。 その2つの会話に引っ張られたように、私は意識を取り戻した。 重い瞼を開け、ぼんやりと天井を見上げる。 「あ、起きた!」 少女の方がそう声を上げたと同時に、駆け寄ってくる足音が聞こえた。 そして華奢な少女が、私を覗き込んでくる。 「...もしかして、目開けてまだ寝てる?」 上手く反応できないあたしに、彼女は少し怯えたような顔をした。 「ううん...起きた......」 「喋った!」 「ひよこ、うるさい」 私の視界の外から男性がそう言うと、少女は私から目をそらし、むっと頬を膨らませた。 「爛ひどい!それにいつも言ってるけど、ひよこって呼ばないで!」
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