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不可解だ。
なんでこんな事に。
「盛大に転んで、その上水浸しって……その場に居たかったわ……」
ここはカフェの更衣室兼スタッフルーム。
そしてそばには何故か笑いを漏らす真崎氏の彼女――と思しきカフェに居た美人。
彼女がやって来るまで、膝や掌の手当てをしてくれたり、一緒にマスターの美味しいハンバーガーを食べていた真崎氏は、彼女に何か耳打ちして出掛けてしまった。
やはり彼女と待ち合わせをしていたんだ、慈悲じゃなくて暇潰しだったんだと、必死に鎧を着込んでいたのだが、突然例の美人と二人で放置されたかと思ったら、あれよあれよという間に現在に至る。
「汚れてしまった浴衣はクリーニング出せば大丈夫よ。
それより、私の見立てばっちりでしょ?
担当編集として作品の資料を用意するのは当然だけど、これでも身長が低くても似合いそうなものを探したのよ。
一度キャンセルだって言われたけどね」
それは、お世話をおかけ致しました。
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