ドジな私に愛の手を 2

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「リコちゃん、ルナちゃん、代わろうか。休憩したら?」 流れる汗をタオルで拭っていたら、今回カフェの露店を仕切っている先輩が冷えたペットボトルを差し出しながら声をかけてくれた。 渋い男物の浴衣に前掛けを付けた細身の小柄な姿が俄然輝いて見える。 「わぁー、ありがとうございます」 ルナちゃんと二人、声を揃えてお礼を言って受け取った。 「その浴衣とエプロン似合うよ、可愛いね」 「えっ、本当ですか?」 冷たいスポーツドリンクをゴクゴクと一気に半分まで飲み干し生き返ったような心地になったところに、ニッコリと微笑まれお世辞を言われ、暑さで強張った顔がすっかり緩んでしまった。 その時だった。 不意に背後から冷たい声が降って来た。
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