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奈倉璃子、再び混乱中。
阿弥津紗綾さんは私に「喋っちゃだめよ」と念押ししてカフェを出て行った。
入れ替わりに入って来た真崎氏。
「あれ?彼女とデートじゃなかったんですか?」
と言う私の質問に
「誰が彼女?」と訝しげに眉を顰め、「それよりお祭り終わっちゃうから早くして」と宣う。
店を出れば夜の商店街は街頭に吊るされた提灯と屋台のギラギラと光る照明が未だ熱気を孕んだ人々を浮き上がらせていた。
カフェの店先ではお客さんがイカ焼きを摘みにビールを飲みながら談笑している。
「わっしょいわっしょい」と猛々しい掛け声が聞こえて来たかと思うと、御神輿を担いだ一団が右に左に蛇行しながら近づいて来た。
「これから神社に御神輿を奉納してそれぞれの陣屋に帰って行くんだよ。その後は一晩中酒盛りだってさ」
イカ焼きをしゃぶったお客さんが解説してくれた。
御神輿を見送ってから雑踏の中に身を投じる。
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