ドジな私に愛の手を 2

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「また転ばれたら面倒だから」としっかり手を握られ、屋台を眺めて歩く。 勧められるままにヨーヨー釣りをして、チョコバナナとたこ焼きを買ってもらって、唇にチョコが付いてると指で拭われた。 まるでまるで、本当のカップルみたいな事をされて、いつもの自分だったらすっかり夢見心地になってると思うけど、さやさんの言葉を思い浮かべては混乱しながらも考える。 『小説のモデルにぴったりなんですって、あなたが』 真崎氏がなんで私をモデルにしているのか、なんで秘密なのか、それは教えてもらえなかったけど、きっと私みたいに恋愛経験のない女の子なんだろう。 それで、こんな風に気になる異性と接触したりして、怖気付いたり戸惑ったり恥ずかしがったりする様を観察して、人物描写の参考にしているのかも知れない。 きっとそうだ。 私の気持ちなんてすっかり見透かされていて、利用しているのかも知れない。 何だか悲しくなって来た。
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