epilogue

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なるほど、阿弥津の事を誤解していたのか。 それで遠慮がちになっていたんだろう。 どうもここのところ僕の方のバイトを辞めたそうにしているから、どうしたんだろうと思っていたんだ。 恐喝紛いに押し切るのもそろそろ無理があるし、何とか懐柔しようとお祭りに誘う手を思いついたまでは良かったが、お祭り当日のバイトを休んでいいかと聞かれ、ポーカーフェースを保ちながらも焦った。 いつの間にかお祭りに一緒に行くような相手ができたとしたら、今までのように僕の部屋に家事を理由に呼びつけるのも困難になってしまう。 カフェのバイトなんて、考えてみればその手の出会いには事欠かないだろう。 気になって柄にもなく祭りに来てみれば、男と二人で浴衣を着てにこにこと笑い合ってるじゃないか。 我ながら、もう一人の女の子が目に入らなかったのはどうかしていたとしか言いようがない。
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