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毎年、街の商工会が主催するお祭りがメイン道路を歩行者天国にして行われているのだが、そこに店を構えるマスターのカフェ、“楓-Maple-”もいつも露店を出しているそうだ。
(店の前に大きな楓の木が一本植えてあるのだが、ここからとった名前だろうか?)
その売り子として出てくれないかと言う相談で、クビではなかったと胸を撫で下ろした私は喜んで引き受けた。
マスターは「デートだったんじゃない?ごめんね」と恐縮していたが、とんでもない!
真崎氏のバイトの予定はあったけど、変更の申し出も理由を話す必要も無い程あっさりとOKだったし、二人でお祭りとか有り得ない妄想をせずに済んで願ったりです。
しかし、店の前にテーブルとイスを数脚出し、ドリンク類を氷水で冷やしながら売ったり、ホットドッグを鉄板で焼きながら売るって、まるで「文化祭の模擬店みたいで楽しー!」
って思っていたのだが、日除けのテントこそあるものの、真夏の午後、外で鉄板の熱に炙られるのがいかに過酷か想像していなかった。
そう、今、まさにそれを実感しているところだった。
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