回る回る

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回る回る

 ぐるぐるぐるぐる…何かが回る。  かなり高速で回転しているから、それが何かは判らない。  回っているからには、形は円形なんだろう。ただ、大きさも色も判らないけれど。  昔から何度となく見る『回転する物』の夢。  最初の頃こそ気になって、それが何かを知りたかったが、何十年も見続ける内にどうでもよくなった。  多分、子供の頃に見た回る何かが記憶に残っているのだろう。でも思い出さない以上、そんなにたいしたことはじゃない筈だ。  ずっとそう思っていた。…今この瞬間までは。  日課の早朝ジョギングの最中、突如目の前に現れたトラック。  全身に衝撃が走り、倒れた俺を残し、トラックは猛スピードで去って行った。  その時に、夢で見続けた物の正体が判った。  超高速で回転する四つの輪っか。…そうか。あれはトラックのタイヤだったのか。  長年の謎か解けてすっきりする。でも…こんな形で知りたくなかったなぁ。 回る回る…完
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