第二章

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結婚式とハネムーンと住宅購入の頭金を、2人の貯蓄でほぼ底をついたので、日中は、新居から、近い場所に私は再就職した。 「子供は、欲しいけど、とりあえず2年くらいは働いて、しばらくは2人だけの生活がいいと思って、とりあえずお金貯めよう。」 これは本音だった。 家計がカツカツなうえ、彼の収入だけをあてにする生活は、私にはできそうもなかった。 大好きな彼、旦那様の子供、想像するだけで愛おしい。 それに、子作りの行為も、なんの隔たりもなく一つになれたら…、なんて幸せなんだろう、 って思っても、やはり母になる覚悟も25の私にはまだなかった。 ただ、彼と一緒にいたい。一緒に暮らす。家族になる。それだけで、満たされていた。 「家計のやりくりと、産んでもらうのは任せるから、タイミングについては、そうゆうことなら、子供は、まだ先にしよう。」 結婚して、最初の夜に、交わした約束。 彼もそれを、承知して、どんなにいいムードになっても、私達の愛の営みには、避妊は必須だった。
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