第二章

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「今日、汗かいたー!俺汗臭い?」 抱きしめたまま彼が聞く。 今度は、向かい合って、首の匂いを、くんくん嗅いでも、いい匂いしかしない。 「頑張った匂いがする。」 あえて意地悪に言ってみた。 「それって汗臭いってことだね。」 笑いながら離れようとする彼に、 「うそ。いい匂い。もっと嗅がせて。」 そう言って抱きつく。 彼も、背中に手を回して、今度は私にキスをする。 腰にふれた手が、だんだん下にいき、スカートの中に手を触れてきた。 深くなるキスを遮って、 「ご飯が冷めちゃうよ?」 別にこのまま続けても良かったけれど、一応聞いてみる。 「せっかく作ってくれたのにね、さっ食べよっか。」 切り替え早く、そそくさとその場を去り食卓へ座り、頂きますのポーズをとる彼に、置いてけぼりにされた気分で、慌てて私も食卓へ座った。 「いただきます。」 美味しい!美味しい! 何を食べても言ってくれて、いつも残さず食べてくれる。 そして、食べ終わったあとは、 作ってくれた人は、休んでていいの といってくれて、必ず洗い物は、彼の仕事。
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