第二章

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先週の日曜日に掃除したときには、真っ直ぐ前を見ていた人形、それをちょっとイタズラに彼が向かい合わせにしたんだった。 彼はその人形のことを、ラガディと呼んでいた。 昨日も、その前の日も、顔を向かい合ってキスしてるようにしたままだったのを思い出す。 寝室で彼は、横になり、自然と私もダブル布団で横になる。 「ラガディ気づいた?」 笑って言う彼。 「気づいたけど、可愛いからそのままにした。」 「ってことは、いいってことだよね?」 いたずらな笑顔で言う。 昨日もその前も、向かい合わせになっていたのに、何もしなかったくせに…。 今日も口先だけの冗談だよね、そう思って、 「おやすみ。」 電気を小玉電球に切り替えた。 「ねぇ?していい?」 「え?本気??」 「俺はいつでも本気だけど。」 そう言ってキスをした。 体の上に覆いかぶさり、体に触れ、2人の吐息が熱くなり、やがてはだけた服を脱ぎ捨てる。 寝室の引き出しにしまってあるアレをもってきて、慣れた手つきで装着すると、 またキスから始まり、身体の隅々まで溶けるように触れられた。 やがて一つになり、激しい愛の営みのあと、そのまま疲れ果ててそのまま眠ってしまった。 するときは、いつも彼からの誘い。 そして、その夜は、疲れてそのまま眠って朝が来る。
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