第二章

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朝は、野菜ジュースだけ飲んで出勤する彼。 ーーー朝ごはんは食べない派なんだ。 ずっと昔から言っていた。 スーツに着替え、髪型をセットすると、野菜ジュースを飲んで、 「そろそろ行くねー!」 と慌てて靴を履く。 「いってらっしゃい。」 私の方が遅い出勤だから、のんびりパンを食べながら、玄関で見送る。 「あ!」 振り返る彼。 「忘れ物?」 「昨日は、可愛かったよ。今夜もしようね!」 そう言って、行ってしまった。 残された私、ただ恥ずかしくなり、ドアの鍵をしめた。 結婚してからの彼は、大胆になったように思える。時々、こうして、恥ずかしいことを口にして、私を、からかう。
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