第二章

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朝、彼が行ったあとは、二人ぶんの洗濯を干して、ニュースを見ていると出勤時間になり会社へ向かう。 そして、帰宅したら、夕飯を作りながら彼の帰りを待つ。 彼が帰宅すると、一緒に夕飯を食べ、お風呂とコーヒータイム、 そして、人形の顔の向き、つまり合図を確認して布団に入る。 私からは、誘ったことはないけれど、 私は、一度も彼の言葉に拒んだことはない。 顔を向かい合わせにしたのは彼なのに、何もなかったかのように、寝てしまうときもある。 だから、ラガディの顔を直さなければ、ほぼ毎日向かい合っている状態で…、 実際、最近は合図でも何でもなくなってきている。 一緒に「おやすみ」って言って、布団に入っても、何も触れてこないとき、 そう言う時、なんか物足りなく感じてしまう。 だから「今日、しないの?」 って聞いたら、 「したいなら、俺のここ食べて。」と言って臍の下を二回手でトンとした。 少しの、間のあと、彼の意味してることを理解して、 「……………うん、いいよ。」 と答えた。 「ごめん、うそだよ。寝よ…。」 そう言って、腕まくらして抱きしめてくれた。 意を決して、「いいよ」って言ったのに、なんか、私ばっかりしたいみたいで恥ずかしい。 ギュってされるだけで、ほらもう身体が反応してるのに、 やっぱり何年経っても恥ずかしい。 一人ドキドキしていると、気づいたら彼は、すやすや吐息…本当に眠りについていた。 そして、また朝が来て、 「おはよう。」 「いってらっしゃい。」 「おかえり。」 「おやすみ。」 そして、ときどき熱い夜…。 ーーーそんな日々を過ごして、 結婚して2年がたった。
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