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「んー。正確に言えば時雨の寝顔を見てると、自然と触れたくなったんだよね。それで頬に触れた瞬間、なんか今までと違う感情が沸いたんだ」
晴人が自分の思っていた事を聞くのが初めてで、戸惑いながらも興味が沸いて聞き入ってしまう。
「勿論直ぐにその感情を理解できなかった。けど、別の日に女子から告白された時に繋がったような感覚になって、そこで気付いたんだ」
「そっか」
あの時の僕は自分の事に精一杯で、晴人の気持ちまでは考えられなかった。
過去のことだとはいえ、晴人もずっと悩みを抱えていたんだ。
そう思うと申し訳ない気持ちになる。
けど……。
「やっぱり、晴人はモテるな……」
今まで当たり前すぎて気にした事がなかったのに、晴人がモテることがやけに気になってしまう。
「え……ちょっと、待って」
今更過ぎて、僕の言葉を聞いた晴人もきょとんとしてしまった。
「あ……ごめん。今更だな。聞きなが……」
慌てて訂正しようとした所に、ベッドの淵に座ってた晴人が僕に抱きついてきた。
「今のって、嫉妬? だったら、すっごい嬉しいんだけど……」
僕の胸に顔を埋めた晴人は、小さく呟く。
「あ……そ、そう……だね」
自覚すると急に恥ずかしくなってしまって、上手く言葉に出来ない。
「この最高な気分のまま寝たい所だけど、時雨にまだ答えてもらってない事がある」
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