802人が本棚に入れています
本棚に追加
/213ページ
「身体、大丈夫?」
「うん」
終わった後、動けなくなった僕を気遣って、晴人が一通りの片付けを済ませてくれた。
濡らしたタオルで僕の身体も拭いてくれて、捲り上げてたシャツも元に戻してくれた。その頃には、僕も少しだけ動けるようになっていた。
「俺が無理させたのは分かってるから、そのまま横になってていいよ」
「……有難う」
横になったままでベッドの側に座った晴人を見れば、穏やかな顔をして僕を見つめていた。
「『有難う』は、俺の方。受け入れてくれて、有難う」
「う、うん……」
晴人の視線を真っ直ぐに受け取るのは、やはり気恥ずかしくて……目を逸らしてしまった。
「でも……予想外だった」
「え?」
「時雨とっての俺は何かって質問に、ちゃんと答えを出したこと」
「あ……それは」
話題が変わって、何を言われるかそわそわしてしまったけど、聞いてホッとした。
「ま……その前に、俺の隣で一人で始めちゃったのもだけどね」
「っ! あ、そ、それは……」
晴人が合宿で居なかった間のことをちゃんと話そうとしたのに、茶化すように言われて中断する。
自分でも、思い返すとおかしなことをしてしまった。
いつもならしない行動を取ったことに反省すると同時に、自分の顔が熱くなってきてるのを感じる。
最初のコメントを投稿しよう!