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本当は僕が起きてる事に、気付いてるだろ?
頭の中で、その問いかけが何度もよぎる。
再び耳元に唇を近づけ、僕を呼んだ弟に対して、それは確信に変わってきていた。
同時に、弟が寝ぼけてこの部屋に入ってきた可能性は、この時点で無くなった。
それならば……起きてる事に気付いてる弟は、バレてないと思い込んでる僕の反応を見て、面白がってるんじゃないのか?
背後にいる弟の考えが読めなくて、そんな事を考えていると、今度は僕のお腹辺りに置かれてた弟の手が動き出す。
最初はゆっくりした動きで、僕のお腹辺りを優しく撫で回していた。
一体、何するつもりなんだろう?
相変わらず読めない弟の行動に、僕はただジッとして、様子を見守っていた。
「……ッ……」
背中に弟の身体が触れて、距離の縮まりを感じる。
それだけじゃなく、僕の身体を撫で回していた手が下へと伸びていき……膝の近くから上に向かって太ももをそっと撫でられた瞬間、身体が硬直した。
冗談で面白がってるにしては……少し度が過ぎてる。
怪しく動き出した弟の手つきに僕は、そこで初めて焦りが出てきた。
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