旅の終わり

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でんせんはつづく~よ~🎵 ど~こまでも~🎵 子供というのはけっこうタフだ (お腹すいた) 多少食べなくてもそこそこ元気だし 大人のように不平も言わない (足がいたい。ちょっと休もう) 自分が呼び込んだ(きつさ)なら受け入れられる素直さはある の~を こえ🎵やまこ~え🎵た~に こえて~🎵 (のど渇いた) 辛さを笑いに変えるユーモアも持ち合わせている この国が児童公園のある国で良かった。そう この子は思う 水道はあるから水は飲めるし トイレにも困らない は~るかなまちま~で~🎵ぼくたちの~🎵 ところがこの村は 一向に公園など見つからない (つかれた) 子供というのはけっこうタフだ 突然電池が切れて動けなくなるまでは… た~のしい🎵たびの~ゆめ~🎵つ~ないでる~🎵 その子は道端にへたりこんだ もうすぐ夕方になりそうな時間帯に白南風が吹いて 見上げれば怪獣みたいな入道雲が足元から黒く崩れ始め遠雷が聞こえる ぽつ ぽつ ぽつ (あめ?) 水滴は次第に大きくなりあっという間にあちこちのトタン屋根のドラムが鳴り始める ばた ばた ばた ばた ばた ばた ばた ばた ばた ばた ばた ばた ばた ばた ばた ばた ばた ばた ばた ばた 水滴は大粒で子どもには痛かった (うごけない) 激しいスコールが子どもを濡らす 汗も埃も子どもに溜まった煩わしい熱も俄か雨が洗い流す 子どもは空に向かって口を開ける げほ げほ げほ 勢いのある水は上手く飲めない… 両手を開いて器を作り溜まった水を舐める (まずい) 何か粉っぽいのはきっと 光化学スモッグのせいだ 子どもの裏づけのない直感は案外正しい それでも そんな水でも 飲むしかない者は飲むしかない (ははは まるで僕だ) 今の自分を普段の自分に準える あんなに渇いていた景色があっさり水浸しになる (ははは まるで僕だ) 其処ら中に水溜まりが出来て泥水が広がり坂道を勢いよく流れ落ちて (ははは まるで僕だ) へたりこんだ子どもはシャツからズボンから…パンツまで泥水にまみれて (ははは まるで僕だ) そこまで考えて… 気を失った。
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