旅の終わり

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「ボクッ!!ボクッ!!大丈夫かぁ!!」 目覚めるとおじいちゃんのお巡りさんがその子の体を揺すっていた あたりはすっかり夜になっている 「びっくりしたぁ!!死んでるんか思たわぁ…どないしたんこんなとこでぇ」 泥水で汚れた子どもが国道脇で倒れているのだ。誰でもそう思うだろう 「………………」 捕まれば帰される それだけは避けたかった だけど… この子が帰れる場所は… 残念ながら其処しかない 子どもが抱える複雑な悩みとはまったく別のところで 大人は話す 「まぁええわ、歩けるかぁ?」 しっかり頷いたその子を見て 「ついといでぇ」とは言ったものの警察官は… 何処から手をつけていいか考えあぐねていた 駐在所に着くとお巡りさんはシャワーを浴びせ、子どもの着ていたものを洗濯した それしかなかったであろうピンクのバスタオルを手渡し 「服が乾くまで、これ巻いて待っといてぇ」 お巡りさんの机の上にはビン詰め牛乳が1本と大きな栗饅頭が1個おいてあった。 「何も食べてないんやろ。これ、お食べ!!」 「うん」 (おいしい。おいしい) でも 人はどうしておなかが空くんだろう。おなかが空かなきゃもっと自由に生きられるのに、大人はおなかが空いて、子どもはおなかが空かなきゃいいのに… 「ボクッ!!栗饅頭キライか?」 その子は首を横に振る 「ほな、なんで泣いてるん?」 「泣いてない…」 しばらくしてお巡りさんはいくつかの質問をした いくつ? おなまえは? どこに住んでるの?住所わかる? 電話番号は? その子は無言を通した…
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