禁断の恋

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『…わかりました、社長の好きにしてください…』 『ありがとう』 『1つだけ私の願いを叶えてくれますか?』 『何だ』 『最後に私を抱いてください』 『何を言ってるんだ、そんなことできるわけないだろ』 『……』 和真はソファーから立ち上がり豊の手を掴み立たせた。 『和真…』 『……』 和真は豊を連れて弁護士事務所を出るとトイレに行き個室に入った。 『和真』 『社長…』 和真は豊を壁に押し付けながら唇を重ねた。 豊は和真の身体を押し離し『やめろ』と言った。 『お願いします…最後に…俺を…』 涙を流しながら訴える和真の姿に豊は驚いた顔で見つめた。 『和真、何で男の俺に抱かれたいんだ』 『好きだから社長に抱かれたいんです』 『わかった、最後にお前を抱いてやる』 豊は個室のトイレで和真を抱いた。 その頃、勝也は社長室のソファーで眠っていた。 それから暫くして勝也は目を覚ましソファーから立ち上がった。 『……』 勝也がドアに近づき出ようとしたその時、ドアが開き豊と出くわした。 『勝也、目が覚めたか』 『はい…』 『勝也』 豊は勝也を抱き締めた。 勝也は頬を赤らめながら『豊さん、秘書の方が来ますよ』と豊に言った。 『勝也、ここを和真に任せて俺はお前の店を手伝う』 『え…』 勝也は豊を驚いた顔で見つめた。 『嬉しくないのか』 『嬉しいです、嬉しいけど本当にいいんですか?』 『決めたんだ、お前の側にいるって』 『豊さん』 『勝也』 見つめ合うと豊と勝也は口づけを交わした。 それから時間が過ぎ弁護士事務所を閉店すると豊と勝也はビルから出ていき家に向かって歩き始めた。 『江梨のことなんだけど』 『江梨のことは心配するな、それより店はいいのか?』 『あ…豊さんは先に帰っててください』 勝也は豊と別れ走ってホストクラブ輝きの店に向かった。 ーホストクラブ輝きー 店の前についた勝也はドアを開き中に入った。 『お兄ちゃん』 『社長』 『……』 勝也は美佐と一也とマコトと保に出くわした。 『心配したんですよ』 『まだ開店中のはずだが皆は?』 『社長のことが心配で仕事にならないので店は閉店しました…それと他のホスト達は帰りました』 一也が答えると勝也は近くに置いてある椅子に座った。
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