禁断の恋

22/110
前へ
/110ページ
次へ
『もしもし美佐ちゃん』 『その声は豊さん?』 『あぁ』 『お兄ちゃんは?』 『朝食を作ってるから手が離せないんだ』 『そうですか』 『伝いたいことがあるなら俺から伝えるけど』 『手があいたら私の携帯に電話するように伝えてください』 『わかった』 通話を切ると豊は携帯を持ってキッチンに行った。 『勝也、ちょっといいか』 『何?』 勝也は炒飯を作りながら返事をした。 『美佐ちゃんから電話があって携帯に連絡くれって』 『わかりました』 勝也は炒飯を皿に盛りテーブルに運んだ。 携帯を勝也に渡すと豊は全裸のまま浴室に行った。 勝也は椅子に座り美佐の携帯に電話をかけると耳にあてた。 そして3回目のコールで美佐が出ると勝也が口を開いた。 『もしもし美佐、俺だけど』 『大事な話があるから指定した場所に1人で来てほしいの』 『わかった、どこに行けばいいんだ』 『場所はメールで知らせるから…』 『わかった』 『ゴメンね、お兄ちゃん』 『美佐?…もしもし美佐…』 美佐の応答がなくなると勝也は通話を切った。 『メールで知らせると言ってたよな』 勝也が口にすると美佐からメールがきた。 勝也は携帯を開きメールを見た。 その時、上半身裸で下半身をタオルで隠したまま豊が現れた。 『豊さん、そんな格好でいないで服を着てください』 『美佐ちゃん何だって?』 『大事な話があるから1人でラブホテルに来てくれって』 『離婚届は俺1人で出しに行くから勝也は美佐ちゃんが指定した場所に行ってやってくれ』 『わかりました、先に出ますね』 『あぁ…』 豊が返事をすると勝也は寝室に行き下着と衣服に着替え先に出掛けていった。 豊はテーブルの椅子に座り勝也が作った炒飯を食べると下着と衣服に着替え仕事場に出掛けていった。 その頃、勝也は美佐が指定したラブホテルに向かっていた。 『ラブホテルを指定するなんて、知り合いに見られたらどうするんだ』 ぶつぶつ言いながら歩いていると指定場所のラブホテルについた。 勝也はまわりを見渡し人が通っていないことを確認するとラブホテルの中に入っていった。 そして勝也は携帯を開きメールを見た。 『部屋の番号は222号室か』 携帯をポケットの中に入れると勝也は部屋に向かった。
/110ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加