光線。

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 「桜沢悠斗です。こちらこそ、宜しくお願いします」  秋と握手を交わして、2人でソファーに腰を掛けた。  今日の対談は、『対談』というだけあって、記者の質問等はなく、2人で話を進めなければならない。  秋の資料、もっとちゃんと見ておけば良かった。  秋の事を何も知らない上に、自分好みの秋に緊張して、何を喋って良いのか分からない。  そんな俺を見兼ねてか、  「桜沢さんって、そのまんま『サクラザワ』さんなんですね。『オウサワ』さんて読むのかなって最初思ってました」  秋の方から話掛けてくれた。  「秋さんも『アキ』じゃなくて『シュウ』さんなんですよね」  一瞬だけ資料を見ていたから、名前の読み方だけはかろうじて覚えていた。  「私は本名じゃないんですけどね。ちゃっかり偽名です」  『へへっ』といたずらっ子の様に笑う秋。  「偽名て。ペンネームっしょ」  そんな秋に突っ込みを入れると、また秋が笑ってくれるかた、一気にその場の空気が和やかになった。  後で秋に本名を教えてもらおう。  今思えば、可愛く感じの良い彼女に、この時俺は一目惚れをしたのだと思う。
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