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「…あの、実は私、桜沢さんの事を存じ上げていなくて、資料貰ってから桜沢さんの曲聞いたんです。あ、サク名義のボカロ曲も聞きましたよ」
秋が、申し訳なさそうな顔をしながらオレを見た。
…て、俺、資料すら見てないから、秋の作品1コも読んでない。
申し訳ないのは、むしろ俺の方だ。
「…ボカロを聴いてどう思いましたか? オタクだなって思いませんでしたか?」
目の前の、ちょっと好きになりかけてしまっている秋に、そうは思われたくなくて、早々に確認をする。
「そういう桜沢さんは、私の事をどう思いますか? 『ネット小説なんか書いて、腐女子め』とか思いませんでしたか?」
秋は、俺の質問には答えずに質問を返してきた。
「…スイマセン。ちょっとだけ思ってました」
秋がさっきの俺の質問に気を遣って嘘を言わない様に、先に正直に白状。本当はちょっとどころではなかったけれど。
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